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有働由美子さん、 “自由”の怖さと付き合いながら 新しいことにチャレンジしています

目次 ★ 「49歳⇒50歳」年齢への階段が、私の背中を押してくれた
★ 「自由」は幸せ? いえいえ、大変です
★ 50代になるとプライドはどこへやら……。 ふわっと、人に頼れるようになった
★ 好きなことだけやっていると不安になるから 求められる姿「報道・有働由美子」を極めるべし!
★ 年齢を重ねるごと、自分のご機嫌をとりながら 日々を丁寧に

「49歳⇒50歳」年齢への階段が、私の背中を押してくれた

普段は、チャーミングな笑顔がトレードマークの有働さん。今回の撮影では、「新しい自分」へと歩む50代の“今”を象徴するかの如く、「皆が見たことのない女っぽい”有働由美子”」に初トライ!  表情、ポージングともにスタッフから歓声が上がるほど、内側にある女っぽさを漂わせて。

40代が終わる—―50歳を迎えることは、私にとって背中を押されるような感覚でした。
NHKには27年間勤務して、人間関係も構築できているし、動きやすい。
でも、そのうまく回っていることに、少し飽きてきたのか、疲れたのか……。
何かを変えなくちゃ! このまま流されてはいけないのではないか? という思いが、ずっとあったんです。
とはいえ、27年もの間に築いてきたものを、全て捨てる選択は、相当の覚悟でした。
「辞めよう」と決めては、ふと怖くなって、「イヤイヤ違う……。そんなに思い上がっちゃいけない」と後ずさりして、潮の満ち引きのように何度もそれを繰り返していました。
もちろん、そのままNHKにいれば安定しているし、その環境を変えたくない、という気持ちもどこかにあったのでしょう。
でも、40代を終えようとする時、「もう、イイや!」と。
女性は、年齢を重ねるごとに少しずつ失くしていくものがありますよね。
まず、40歳を過ぎて出産のチャンスを失い、45歳を過ぎると、どう着飾っても今までの見られ方とは違ってくる。そんな年齢の中にいる自分を、何だか中途半端に感じていたんです。でも、50歳を前にして、「ああ、もしかしたら大事なものを全部失うかもしれないけれど、それは全部40代に置いていこう」そう踏ん切りがついて。
それで、決意してNHKを退社し、独立しました。
だから、私にとって“50歳”という年齢は、「壁」ではなく、自身の新しい一歩への「後押し」だったんです。

 

「自由」は幸せ? いえいえ、大変です

いざ、独立してみると、毎日が判断の連続。
会社に属していると、「有働さんは、どう思いますか?」と問われる時、
「会社はどう判断するか?」という考えがその答えのベースにあったけれど、その縛りがなくなった今、自分で判断して答えるのって結構難しいな、と感じています。
会社に所属している時は、失敗してもカバーしてくれる人がいたし、また次がある。
でも、今は間違って判断した時に「間違った」と自身に突き付けられるから。

フリーになって6年、「自由って、幸せ?」と問われたら、「いえいえ、大変です」というのが、私の答え。
自身で選びとる自由はあるけれど、間違った判断をしてしまうと「次はない」と自分を追い込まざるをえない。
だから、「どうぞ、ご自由に」と言われても、その自由を前に、立ち止まってしまうことがあります。
それで、「会社を辞めたい」という人が、「辞める」背中を押すことを期待してか、私に相談に来るのですが、「組織の中で変わることができたら、そうしたほうがいい。チャンスは、組織にいるほうが多いから」と答えています。
さらには、「離婚したい」という人も、ビビッて結婚できない私になぜか相談に来るのですが、「別れるつもりで自分が変わってみたら?」とアドバイスしています。

そのくらい、自由って、大変なんです。

50代になるとプライドはどこへやら……。 ふわっと、人に頼れるようになった

J POP番組の司会に、7月には自ら作者として参加した絵本の出版と、フリーになって責任も負いながら始めた新しいことのいくつかがあります。
「やりたい!」と手を挙げるのはいいけれど、やり始めるとヒーヒー言いながら頭と身体にムチ打つこともしばしば。
だから、「本当にやりたいの? やり遂げたいの?」と自身に問うてみることにしています。
それで、自身のジャッジが「YES!」であれば、本格的に腰をあげるとともに、最近では一緒にやってくれる人に、「これ、どうやるんでしたっけ?」と、遠慮なく頼るようにしています。
40代の頃は、頼られるし、求められるし、自分でやらなきゃと、人に頼れず頑張ってきたのですが、50代になったら、いつの間にかそんなプライドは消えていました。
というのも、50代になって、体力、知力ともにキレがないのを実感するようになりましたから(笑)。
自然と人を頼らざるをえないんですね。

でも、いざ頼ってみると、自身が「これは赤だよね。白はちょっとね‥…」と思っていたものに、「白です」と全然違う答えが返ってきた時、2つの答えを混ぜてみると、意外と“ふんわり”とイイ色になったりするんですね。
昔は、この“ふんわり”とする感じがイヤでたまらなくて。自分は、シャープでありたいと思っていたんです。
そして、“ふんわり”を「良し」とする先輩を見ると、“諦め”だと捉えて、自分はそんなふうにはなりたくないと思っていました。振り返ると、40代の頃はイライラしていましたね。
自分が50代になってみると、“ふんわり”を「良し」とすることは、決して“諦め”ではなく、幅が広がり楽になることだと知りました。
いろんな色を混ぜたほうが、予想もつかない大きなものになる可能性を秘めているんです。

好きなことだけやっていると不安になるから 求められる姿「報道・有働由美子」を極めるべし!

自身がやりたいことの一方で、世間からは「報道・有働由美子」の顔を求められ、フリーになった今も、有難いことにキャスターとしてニュース番組に立たせていただいています。
心の隅では、「気楽なバラエティ番組ができたらイイな」とも思ったりするけれど、好きなことだけやっているのも、メチャクチャ不安になって、「求められるものを一つ極めるということがないと」と自分を戒めています。
今の時代、ものの見方が様々で、トランプさんの行動を「それもアリだね」と支持する人が4割もいるし、戦争も「圧倒的にこちらが悪い」という見方をするのではなく、反対側の考えも知らなくてはなりません。
だから、報道番組を担当することは、自分に課さなくてはならないことがいっぱいあります。
でも、「やだな、苦手なのにな」と四苦八苦ことが、とても大事だと感じています。
自分が好きなことをするためにフリーになったけれど、求められるものを自分なりに果たすことは、きっと生きる上で大事なことだから。

日本では、男性が作り上げた社会の中、50代女性がメインでキャスターをする番組はまだまだ少ないのが現実です。
だから、「自分が今、これをちゃんとやらないと」とも感じています。
それも、テレビ局の体質以上に、視聴者の中に「でしゃばりすぎる女性は好ましくない」「謙虚な女性がイイよね」という考えが、男性だけじゃなく、女性の中にもあったからでしょう。
それが、私がニュースキャスターとして求められるようになった今は、「オバちゃんも、イイじゃない!」という世の中になってきたのかしら(笑)。

 

年齢を重ねるごと、自分のご機嫌をとりながら 日々を丁寧に

30歳くらいまでは、「こうありたい!」というのが常にあったけれど、同世代の知人が亡くなるのを目の当たりにする昨今は、「60歳でこんな報道番組をやって、70歳でも現役で」とは、言えなくなってきました。
今は、目の前にあること、1日1日を丁寧に、といった感じ。
決して諦めるのではなく、無理をせず、自分自身に線を引かず、チャンスがあれば挑戦しながら、「今日はコレができたね!」と自分を褒めて過ごしています。
なかなか周囲が自分を諫めてはくれない年齢になった今、自身を褒めておくと、自分を見失わずに素直になれますから(笑)

今は、年齢を重ねる自分との付き合い方をお試し中。
山道を登る時に車のギアを変えるように、「昔みたいに貫徹は無理ね」「仕事の結果も早くは出せないんだ……」と、自身の様子を見ながら、毎日ギアチェンジしています。
でも、思ったより案外走れそう。
その先の自分に何があるか—―自分でも、今、お試し実験中です(笑)!

有働さん着用ワンピース(ミラ・ショーン)ジュエリー( ニナ リッチ)

Profiel YUMIKO UDO
1969年鹿児島県生れ、兵庫県大阪府育ち。1991(平成3)年NHK入局。「NHKニュースおはよう日本」「サタデースポーツ」「サンデースポーツ」「NHKニュース10」「あさイチ」などの番組を担当し、紅白歌合戦の司会も務める。2018年3月NHK退社後、同年「news zero」のメインキャスターに。現在は、「with MUSIC」(日本テレビ系土曜22:00~23:00)のMC、「有働Times」(テレビ朝日系20:56~22:15)のメインキャスター、「うどうのラジオ」(ニッポン放送金曜15:30~17:10)などで活躍。

コドモの大學③
 「せんきょに行こう!
~えらぶ たのしさ えらべる しあわせ~」

「選挙ってなに?」「なんのためにあるの?」「どうして大事なの?」といった疑問に、小さな子どもにもわかるように楽しい物語形式になった絵本。「選挙には、選ぶ楽しさと、選べる幸せがある」という有働さんのメッセージを、子どもたちが妖怪の世界に迷い込むドキドキハラハラの冒険を通して伝えています。有働流のダジャレとウィットに富んだストーリーに注目!(7月3日発売 ¥1,700)

https://www.hagoromo.com/business/item-shoseki/228-ehon/1577-2025-06-17-07-09-47.html

撮影/渡辺謙太郎 スタイリスト/平田さゆり ヘアメイク/櫻井優子
取材・構成/河合由樹

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